伝統占星術入門のまとめーその1

目次

はじめに‐古の占星術

この本には何が書いてあるのか
1伝統占星術の初めのイントロダクション
2現代占星術の技法に伝統伝統占星術の技法をプラスする
3伝統占星術への反論に答える
4基本的な考え、用語、歴史、古の占星術師の名前と著書
5優れた参考文経
 伝統的なアプローチと現代的なアプローチの違い
 出生占星術を中心とするが、ホラリー、イベント、エレクション、マンデンにも通じる これらの考えを実践でどう生かすかを重視する
 伝統占星術は現代占星術の全否定ではない。その誤解を解く。
 重点に置くことが異なっている。
1道徳的、スピリチャルな価値観と概念。
a人間の状態に関する共感
b忍耐の育成
c現実的な選択
d我々が何者であるかを現実的に管理する
2伝統占星術は精密で体系化された方法に基づく
伝統占星術の未来への貢献
哲学心理学
道徳的価値観と人類の繁栄
選択と自由をより現実的に
絶対的な個人の自由という考えの調節

心理占星術家に向けて、気質論の復活
ハーブやホリスティック医学との関連
魔術とスピリチュアリティーの実践から
新プラトン主義と他の形而上学的アプローチを占星術に戻すかもしれない
チャートリーディングだけに重きを置くのではなく高度な存在に実践的に従事し積極的にスピリチャルにつながる事に重きを置く。

これらの実践的な態度によって我々は自分たちの精神と性格を超えていき、宇宙を管理する神意に関係する。

{プレマ}初めにの部分は、とても重要だと思いましたのでちょっと詳しく書きましたがここからは、プレマが大切と思うところを書いていこうと思います。初めは、歴史についてです。伝統占星術(古典占星術)は紀元前1世紀から始まりますが、古典占星術がギリシャというか地中海沿岸文明といった感じの頃エジプトのアレキサンドリアにあった周辺諸国から集めたその当時の学術的な資料が図書館にまとめられていたようです、しかし焼失してしまって。それ以前の事が解らなくなってしまったようです。記録がないので、想像したり、周辺地域に残っていた昔話をつなぎ合わせたりしてこんな感じじゃないかという話もありますが、それは神話といった感じで確証がないので、この本では、記録に残っている紀元前1世紀くらいからスタートになります。

第一部、歴史、思想、価値観

第一章伝統占星術の歴史

 基本的な時代と人名の概要を追っていきます。
その期間はおおよそ紀元前1世紀の地中海沿岸から17世紀のイングランドとヨーロッパが範囲になります。

■ヘレニズム期 (紀元前1世紀から6世紀)

ホロスコープは紀元前1世紀よりも前にもありましたが、今日知られているような複雑な体系が形成されたのはこの時期です。
それは、サイン、ハウス、惑星、ルーラーシップ、アスペクト、多くの予測法、ロット(アラビック・パーツ)、惑星のマレフィック・ベネフィックの分類、昼と夜の惑星等です。
アレキサンダー大王のエジプトから近東の征服でギリシャ語の書物が広く利用できました
●このころの有名な占星術の著述家
クラウディオス・プトレマイオス(トレミー)
ウェッティウス・ウァレンスヘレニズム占星術はギリシャ、ローマ世界のいたるところに広がった。
そして神秘的な宗教や哲学或いは魔術的な物と融合した。
グノーシス主義、
プラトン主義
ストア哲学

■3世紀から7世紀
ヘレニズム占星術は二つに分かれる
コンスタンチノープルが中心のローマ帝国での衰退
ササン朝ペルシャ帝国での一大旋風、ギリシャ語の占星術を中世ペルシャ語に翻訳することが行われた。

●知っておくべき人物
シドンのドロテウス
ウェッティウス・ウァレンス
クラディオス・プトレマイオス
アテネのアンティオクス
フィルミクス・マテルヌス
エジプトのレトリウス

■ササン朝ペルシャ(226-251年)この頃のパフラヴィー語の資料はペルシャへの侵攻で紛失した原本は700年くらいまでは残っていてアラビア語で別の形で現れる。

■アラビア期(750-950年)

アラビア語に翻訳
エレクションとホラリーが別の扱いになっていった
社会占星術マンデンもヘレニズム期の蝕、前兆、天候予測から発展した
土星木星のコンジャンクションの周期に重点が置かれた。ホロスコープ占星術の4つの分野がはっきり分かれてきた
〇出生図ネイティビティー
 年間予測技法も含む
〇日時選定エレクション
 行う、或いは避ける時間を選ぶ
〇質問ホラリー
 質問に対するハッキリした答え
〇社会現象マンデン
 政治、歴史、天候、自然現象、相場

●知っておくべき人物
マーシャーアッラー(740-815年)
 ペルシャのユダヤ人、バクダット建都の日時設定チャート
ウマル・アル=タバリ―(-815年没)
 バクダット建都チャートに関わり出生図、ホラリーの著書あり
サハル・ビン・ビシュル(9世紀初頭)
 極東の地で軍事政治の顧問
アル=キンディー(801-870年)
 科学と占星術の議題について執筆
アブー・マシャール(787-886年)
 最も権威ある占星術師の一人

占星術の歴史って、場所が移動していくのが面白いですね。色々な理由によりその場でできなくなって消えてしまうのかと思いきや、ちゃんとどこかで残っていく、でもそのたびに理解できない部分は失われて、先細っていく。私たちは文明というのは、後の方が優れていて前の時代は劣っているように考えがちですが、占星術はその逆の様な気もします。

中世西方ラテン世界(1100~1400年)


中世ラテン語を話すヨーロッパ人が占星術に気づくようになるのは、12世紀のスペインの翻訳家がアラビア語から翻訳を始めてから。

エグザルテーションを例に占星術が色々な言葉に翻訳される過程で、やっぱり翻訳する人の言葉選びの結果,内容が少しずつ変化していくことの弊害はある。

無理に日本語にするよりそのままカタカナ表記で残すこともありなんだと思います。

■知っておくべき人物
スペインのジョン(12世紀初頭)
 アラビア語からラテン語への翻訳
サンタナのヒューゴ、カリンティアのヘルマン、ケットンのロバート(12世紀初頭から半ば)
 ジョンの翻訳しなかったものを協力して翻訳した。
アブラハム・イブン・エズラ(12世紀)
 ユダヤ人の学者、詩人。アラビア語の著作をもとに短めの著作をたくさん書いた。
グイド・ボナティ(13世紀)
 「Book of Astronomy」天文学の百科事典

■ルネサンス期と近世の占星術81400から1600年)
ここで、大きな4つの流れが書かれている。
伝統占星術をそのまま使い続ける人たち。
新しい天文学との調和を考える人たち。
怪しい部分は切り捨ててしまう人たち。
占星術をまったく受け入れない人たち。
それらの中間的な考えで、天候など自然界の出来事と健康などの人の意思し従わない部分での占星術の関係のみ受け入れる人々。
技法としてホールサインハウスシステム以外のハウスシステムも使われ始めた。
医療占星術、気質と体型を決める技法の発展。
数学の発展によりより正確な天文歴が生まれた。
新しいアスペクトの発見があった。
■知っておくべき人物
レギオモンタナス
ジャン=バチスト・モラン
ウィリアム・リリー
プラーシーダス・デ・ティト

■占星術の衰退(17世紀から18世紀)
1.占星術と一般教育がかけ離れてきた
2.暦は人気があったが真の占いとは違う
3.古の理解できない物やアラビアから来たもの排除した
4.進歩と啓発という近代神話は、占星術を含む古いものが排除された
5.宗教家は天候や医学に適応、魔術やスピリチャルには反対した。
6.無宗教の人は唯物論的で占星術的世界観に合わなかった。
7.占星術が宗教的な宣伝に利用する人がいた。

■伝統占星術の復興(20-21世紀) 
アラン・レオ
マークエドモンドジョーンズ
1ギリシャ語の占星術文献目録(CCAG)
 ウァレンス「選集」
 プトレマイオス「テトラビブロス」
 へファイスティオン「アポテレスマティカ」
 ドロテウス「占星術の詩」
2オリビアバークレーがウイリアム・りり-「クリスチャンアストロロージ―」復刻
 ホラリー占星術が重要な実践法と定められた
3バークレイの教師
 デボラ・ホールディング 
 ジョン・フローリー
 シュウ・ウォード
 バーバラ・ダン
 単独でロバート・ゾラ―中世の出生占星術を普及
4もっと古い時代の著作の翻訳
 デビット・ピングリー
 チャールズ・バネット
 ロバート・シュミット
 ジェームズ・ホールディン
 メイラ・エプスティン
 ロバート・ハンド
 彼らは、単に翻訳することに興味があるのではなく、伝統的な思考法を蘇らせることに興味があった。

第二章 思想学派

プレマこの章は、短い文章でまとめるのが難しいです。それぞれの学派の研究だけでも大変ですが、ここでは占星術師が占星術を説明するのに、それぞれの学派と繋がる考え方をしていたととらえる位に考えておいた方がよさそうです。

■アリストテレス的プトレマイオス学派

惑星が原因となって物事が起こるという考え方。
アリストテレスの自然科学、プトレマイオスの占星術に対する科学的な根拠。
人間の自由な選択も認めつつ、その背後には惑星が原因となっているという考え。

ストア学派

ストア哲学に結び付け、この宇宙の知性と精神により細部まで支配決定されていて、それが惑星にも表れていると考える。
我々が選択する力があっても宇宙的見地からはそれさえも必然的決定であると考える。

プラトン学派

人間の倫理的な社会生活には、占星術的な宇宙にある程度支配されているべきだと考えた、人間は下層部(感情、本納、体に)は惑星の神々から命じられる物理的な力によるが理性が働かないわけでもない。政治権力者が正しく市民を支配するのに占星術師の力を使うべきだ。と考えた。

キリスト教

1-2世紀の神学の発展に基づいて、人間は自由意志があり自己創造できる。しかし、その自由意志に従わずに罪と欲望に陥る。聖人は自由意思に従い、惑星の影響を受けない、グノーシス派の考えに近い。

魔術

民間魔術前兆、プラトン主義、ヘルメス主義、
低次においては吉兆の惑星時間、タリスマン、類似植物、宝石、音楽、ふさわしいセリフ(アファメーション?)惑星の力と相互に影響し合い実践するものにとって好ましい環境を作りだす。
マルシオ・フィチーノは魂を再設計し調和をとるために占星魔術の使用を論じた。
これらは標準的な占星術の教科書には含まれていない

これらの五つの伝統的アプローチが現代占星術に繰り返されている。

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この記事を書いた人

愛プレマのアバター 愛プレマ 占星家

春分の日生まれの:占星家

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