The Lunation Cycle 要点のまとめ

目次

プレマより

以下の文章は、正直読みにくいものだと思う、本文を読んでから読み返せば、そうそうこんな事が書いてあったと思い出すきっかけになるが、これだけ読んでこの著書を理解したことにならないのは勿論だが、興味のある人の読むきっかけにでもなれば幸いです。

それとこの著書は後半に

Layla Rael Rudhyar『The Lunation Process In Astological Guidance』

があすがその部分は後日という事で、、

I. 占星術、時間、周期

この文章でデイン・ルディアが展開しているのは、占星術に対する深く哲学的な視点です。彼の主張の核心は、占星術の真の目的は、運命を予測することではなく、個人が自己の「全体性」に目覚め、創造的な自由を獲得するためのツールであるという点にあります。
以下に要点をまとめます。

  1. 二種類の時間:「客観的な時間」と「主観的な持続」
  2. 客観的な時間(Objective Time): 天体の運行(地球の自転・公転)によって決まる、すべての人に共通の「時計の時間」。これは普遍的で、個人を社会や種といった大きな枠組みに縛り付ける「強制力」や「運命」として働く。
    主観的な持続(Subjective Duration): 個人が内的に体験する時間感覚。これは個人のリズムや意識の状態によって変化し、標準化できない。個人が真にユニークな存在として生きる時、この「主観的な持続」が生まれ、それは「創造的な自由」の源泉となる。
  3. 人間の内的葛藤と「個人化」
    人間は、社会や種といった「集合体の一部」として生きる衝動(客観的な時間に従う)と、「ユニークな個人」として自己を表現したい意志(主観的な持続を創造する)との間で葛藤する。この葛藤を乗り越え、自己のユニークな全体性を確立していくプロセスが「個人化」であり、占星術が手助けできる領域だとルディアは述べます。
  4. 占星術の二つのアプローチ
    誤った(あるいは不完全な)アプローチ: 出生図を「客観的な時間」の一断面と捉え、惑星の位置を個別の要素の「足し算」として解釈する。これは、その人が生まれ持った宿命や制約(何座生まれだからこうだ、など)を読み解くことに終始する。
    真の(霊的な)アプローチ: 出生図を、個人のユニークな可能性を秘めた「全体」として捉える。各天体は、人格というオーケストラの楽器のようなもので、それらが奏でる「関係性のハーモニー(和音)」こそが、その人の「霊的な名前(本質)」である。この全体性(Wholeness)を理解することが、個人の創造的な自由と「不死性(自己の本質を永続させること)」に繋がる。
  5. 二種類のサイクル:「位置のサイクル」と「関係性のサイクル」
    この考え方を、ルディアは占星術の具体的な概念に落とし込みます。
    位置のサイクル(Cycles of Position): 一つの天体が、ある固定された点を基準に一周するサイクル(例:太陽が春分点から春分点に戻る)。これは現実を単純化した「抽象概念」であり、単一の原因と結果という運命論的な見方に繋がりやすい。
    関係性のサイクル(Cycles of Relationship): 二つ以上の動く天体の関係性(コンジャンクションで始まり、オポジションで頂点を迎え、次のコンジャンクションで終わる)を追うサイクル。これは、現実世界の複雑な「関連性」や、二つの異なるものが交わることで予測不可能な「新しさ」が生まれる創造的なプロセス(性のメタファーで説明される)を象徴する。こちらこそが、個人のダイナミックな成長を理解する上で本質的であるとルディアは強調します。
    結論
    ルディアにとって、占星術とは、人が「種の一部」としての生命(Life)を生きるだけでなく、意識的な決断を通じて自己の「個人のアイデンティティ(Individual Identity)」を確立し、創造的な人生を生きるための指針です。出生図を関連性の全体像として解釈することで、人は客観的な時間の束縛から解放され、自己のユニークな本質(霊、Spirit)を生きることができるようになると説いています。

II. 関係の動的パターンとしての月齢周期

この文章は、月の満ち欠けのサイクル(朔望周期)を、単なる天体の位置の変化ではなく、「関係性の動的なパターン」の原型として捉え直すことを提唱する、占星術的・哲学的な論考です。

  1. 「位置のサイクル」と「関係性のサイクル」の対比
    位置のサイクル(例:太陽の黄道十二宮の運行): 振り子のように、一つの天体が固定された基準に対して位置を変えるサイクル。古典物理学や原因と結果の思考法に対応する。
    関係性のサイクル(例:月の満ち欠け): 二つの天体(太陽と月)の関係性そのものが変化し、一方(月)の姿形まで変容させるサイクル。これはより神秘的で、生命の本質に関わる。
  2. 朔望周期(Lunation Cycle)の本質
    月の満ち欠けは、月自体が変化しているのではなく、地球から見た「太陽と月の関係性」が変化していることを示している。
    このサイクルは、太陽(スピリット、男性的原理、創造的源泉)と月(知性、女性的原理、反映者、形成者)の二元的な関係性を象徴する。
    しかし、この関係は地球(必要性、物質的基盤)という第三の要素があって初めて意味を持つ。地球の「必要性」に応えるために、太陽の力が月を介して、地球生命が受け取れる形(満ち欠けという段階的なプロセス)で分配される。
  3. サイクルの二つの半円(ヘミサイクル)
    著者は朔望周期を二つの異なる性質を持つ期間に分けて解釈します。
    満ちていく半円(新月→満月):
    テーマ: 「生命」の成長、無意識的・本能的な活動。
    プロセス: 新月で太陽から放出された「種子(アイデア)」が、月の「子宮(心)」の中で育まれ、具体的な形(概念や器官)を形成していく。
    クライシス: 上弦の月(90度)は「行動における危機」。過去を断ち切り、新しい構造を構築する必要性に迫られる。
    欠けていく半円(満月→新月):
    テーマ: 「意味」の共有、意識的な活動。
    プロセス: 満月で得られた啓示や完成した概念を、個人が社会や他者に向けて「普及」させていく時期。創造的な意味を分かち合うことで、個人は不滅性を得る。
    クライシス: 下弦の月(270度)は「意識における危機」。アイデアをいかに定式化し、共有するかが問われる。
  4. 現代占星術への批判と提言
    著者は、現代の占星術が惑星間のアスペクト(角度)を、それがサイクルのどの段階(満ちていく過程か、欠けていく過程か)にあるかを考慮せず、静的な空間的関係としてのみ捉えていることを批判します。
    「上弦の月の90度」と「下弦の月の90度」は、数学的には同じ角度でも、その動的な意味は全く異なる。
    占星術は、静的な分析(死の分析)から脱却し、生命の本来の姿である「関係性のサイクル」という動的な視点を取り入れるべきだと主張します。

III. 月齢による 8 つの性格タイプ

この章でルディアは、太陽と月の関係性(ルネーション・サイクル) に基づいて、人格を8つのタイプに分類する方法を提唱しています。これは、太陽の星座(サン・サイン)だけで個人を判断する一般的な占星術へのアンチテーゼであり、よりダイナミックで関係性に基づいた人格理解の方法です。

  1. 「ルネーション・バースデー」という概念
    サン・サインの問題点: 太陽星座は、個人の「意志」や「目的」を表すが、それは孤立した要因であり、人生における他者との「関係性」や具体的な「活動プロセス」を無視している。
    ルネーション・バースデーの重要性: 人が生まれた時の「月の満ち欠けのフェーズ」は、太陽と月の関係性を表す。これは、その人がどのように生命力を使い、他者と関わり、人生の課題を解決していくかという、より実践的で「実存的な」側面を明らかにする。
  2. 8つのルネーション・タイプ
    ルディアはルネーション・サイクルを8つのフェーズに分け、それぞれに生まれた人の基本的な性格傾向を定義します。サイクルは「満ちていく(ワキシング)」前半と「欠けていく(ウェイニング)」後半に大別されます。
    満ちていく半周期(ワキシング) – 構造を築く力
    新月タイプ: 主観的、衝動的。世界に自己を投影する。未来への種を蒔く。(例:フロイト、マルクス)
    三日月タイプ: 新しい衝動が古いものに挑戦する。自己主張と障害克服への意欲。(例:エマーソン、JFK)
    上弦の月タイプ: 行動における危機。新しい理想のための枠組みを力強く構築する。(例:スターリン、ド・ゴール)
    ギボス・ムーンタイプ: 個人的成長と意味の探求。啓示や目標達成に向けて準備する。(例:F.D.ルーズベルト、ニュートン)
    欠けていく半周期(ウェイニング) – 意味を解放する力
  3. 満月タイプ: 関係性の頂点。客観性、明晰な意識、達成。または分離や対立。(例:ゲーテ、ルドルフ・シュタイナー)
  4. ディセミネイティング・タイプ: 学んだことを普及させる。アイデアの伝達者、改革者。(例:カール・ユング、ジェファーソン)
  5. 下弦の月タイプ: 意識における危機。思想を具体的な形にしようと奮闘する。未来志向。(例:ガンジー、レーニン、アインシュタイン)
  6. バルサミック・ムーン・タイプ: 過去のサイクルの終わりと未来への種。預言的、自己犠牲的。運命を背負う。(例:リンカーン、カント)
  7. 8分割の論理的根拠
    12分割 vs. 8分割: 黄道帯のような「位置のサイクル」は12分割が適しているが、二つの動く天体の「関係性のサイクル」を扱う場合、危機のポイント(0, 90, 180, 270度)とその中間点(45, 135, 225, 315度)で構成される8分割が最も論理的で実践的だとルディアは主張します。
    結論
    この8つのタイプ分類は、人が「どのように生きるか」「どのように他者と関わるか」という人格のダイナミズムを理解するための強力なツールです。太陽星座が示す「何者であるか(What)」に対し、ルネーション・タイプは「どのように行動するか(How)」を教えてくれます。ルディアは、この分類が人格分析の全てではないとし、次章で「パート・オブ・フォーチュン」という、さらに深いレベルでの分析に進むことを示唆しています。

IV パート・オブ・フォーチュン(Part of Fortune)

この章でルディアは、パート・オブ・フォーチュン(Part of Fortune) の真の意味と、それを人格理解にどう活用するかを詳細に解説しています。彼の主張の核心は、パート・オブ・フォーチュンが単なる「幸運」の点ではなく、太陽、月、そして地球(出生地)の三者の動的な関係性を統合した指標であるという点です。

  1. パート・オブ・フォーチュンとは何か?

  2. 「関係性のサイクル」の指標: 太陽(目的・意志)と月(生命力・具現化)の関係性が、特定の場所(出生地の地平線)でどのように現れるかを示す動的なポイント。
    計算式: ASC(アセンダント)の経度 + 月の経度 - 太陽の経度。これは、太陽から月への角度をアセンダントに適用したもので、ルネーション・サイクル全体の進捗をハウスシステム上に投影する。
    人格(Personality)と幸福(Happiness)の鍵: パート・オブ・フォーチュンは、個人が持つ特有のカリスマやオーラ(Personality)と、生命エネルギーが最もスムーズに流れる場所、すなわち幸福を感じるポイントを示す。
  3. 「啓示のポイント(Point of Illumination)」
    パート・オブ・フォーチュンの対極: ルディアは、パート・オブ・フォーチュンと常に180度反対に位置する「啓示のポイント」という新しい概念を導入します。これは、陰陽思想の太極図のように、常にペアで機能します。
    新月の道 vs. 満月の道:
    パート・オブ・フォーチュン: 新月でASCと合。無意識的・本能的な生命力、有機的な幸福(well-being)、満ちていく月のエネルギーを象徴。
    啓示のポイント: 満月でASCと合。意識的・明晰な創造性、精神的な喜び(joy)、欠けていく月のエネルギーを象徴。
    両極の統合: 真の人間的完成には、これら両方のエネルギーの統合が必要であると説きます。
  4. パート・オブ・フォーチュンの解釈
    ルディアは、パート・オブ・フォーチュンを以下の3つのレベルで解釈する方法を提示します。
    ハウスでの位置:
    その人が「どのような活動分野で」幸福を感じ、生命力を最もスムーズに発揮できるかを示す。
    これはルネーション・タイプ(8分類)をさらに細分化した12分類の指標となり、より個人的で具体的な活動領域を明らかにする。
    例: 1ハウスにあれば自己表現、4ハウスにあれば家庭や基盤作り、10ハウスにあれば天職の追求が幸福の鍵となる。
    サインでの位置:
    その人の幸福やパーソナリティの「質的な音色(tonality)」を示す。
    例: 牡羊座にあればイニシアチブを発揮すること、獅子座にあれば感情的に自己表現すること、水瓶座にあれば改革や理想の追求が、その人の幸福の「スタイル」となる。
    惑星とのコンタクト:
    (この章の後半で触れられるが)特定の惑星と重なることで、その惑星のエネルギーが幸福の追求にどのように関わるかを明らかにする。
    結論
    パート・オブ・フォーチュンは、単なる吉凶の点ではなく、ルネーション・サイクルという「関係性」を、個人の「実存」に結びつけるための極めて重要なツールです。それは、人が最も自然体で輝ける場所、つまり幸福と自己実現への道筋を示してくれる、パーソナリティの深層を探るための鍵となります。

V. 運命の部分と精神の部分

このテキストは、占星術における「パート・オブ・フォーチュン」と「パート・オブ・スピリット」という二つの補完的な概念について、その計算方法、動き、伝統的および現代的な解釈を論じています。
定義と計算方法
パート・オブ・フォーチュン=アセンダント + 月 – 太陽。個人の幸福や具体的な自己実現を象徴。
パート・オブ・スピリット=アセンダント + 太陽 – 月。精神性や社会・伝統との関わりを象徴。
両者は太陽、月、アセンダント(地上の観測点)の関係性を示す補完的なポイント。
動きと関係性
新月では両方ともアセンダントで一致し、満月ではディセンダントで一致する。
ルネーションサイクル(新月から次の新月まで)において、ホロスコープのハウスを基準に見ると:
パート・オブ・フォーチュンは順行する(1室→2室→3室…)。
パート・オブ・スピリットは逆行する(12室→11室→10室…)。
この対照的な動きは、両者がそれぞれ異なる心理的・精神的プロセスを象徴することを示唆する。
伝統的解釈と現代的解釈
伝統的解釈:
フォーチュン: 物質的幸福、肉体的・生物学的発展(母性的、地上的)。
スピリット: 精神的幸福、超越的成功。精神的成長は自然の傾向に「逆らう」(逆行する)と考えられたため、逆行するこちらが精神性を表すとされた(父性的、社会的)。
著者の提唱する現代的解釈:
パート・オブ・スピリット(過去志向): 過去の伝統、社会、祖先から受け継いだ価値観や「カルマ(宿命)」が個人に及ぼす影響。「源へ回帰する」力。
パート・オブ・フォーチュン(未来志向): 個人の努力によって、生まれ持った可能性を未来に向かって具体的に実現していく力。「新しい種子を育む」力。
精神性の二つの側面と統合
著者は、過去の伝統を重んじる精神性(エピメテウス的)と、未来を創造していく新しい精神性(プロメテウス的)の両方が有効であると主張する。
上弦・下弦の月の時期は、両パートが正反対(オポジション)になり、過去と未来の間の「危機(クライシス)」や緊張が最も高まる。
真の精神的な生き方: 過去の宿命(スピリット)を受け入れて成就させ、それを通じて未来の創造(フォーチュン)へと向かうこと。過去と未来の間の緊張を、結果を恐れたり期待したりすることなく、日々の人間関係の中で解決していくことにある。

VI.月齢周期と関係する惑星

このテキストは、惑星がルネーションサイクル(太陽と月の関係)の中でどのように解釈されるかを、二つの主要な方法論を通じて解説しています。
方法1:惑星の位置と「太陽-月」の角度関係
基本概念: 月を「織り手」、惑星を「糸」と見なし、月が惑星のエネルギーを分配して個人の資質を形成すると考える。

月の満ち欠けによる分類:
満ちていく月(Waxing Moon): 出生時に、惑星が太陽から月へと向かう弧の中にある場合。これらの惑星は「先天的な資質」「自発的な力」「私的な自己」を象徴する。リストの例では金星、天王星、海王星がこれにあたり、彼の芸術的才能の基盤となった。

欠けていく月(Waning Moon): 出生時に、惑星が月から太陽へと向かう弧の中にある場合。これらの惑星は「後天的に獲得すべき課題」「公的な役割」「社会へのメッセージ」を象徴する。カイザーリングやレーニンの例が挙げられ、彼らが人生で直面し、社会に打ち出したテーマを示している。
新月直前: 月と太陽の間に惑星がある場合、それは次の新しいサイクルの「種子」となり、その人の公的な役割や未来を強く特徴づける(マッキンリー大統領の例)。
方法2:惑星と「パート・オブ・フォーチュン」の関係
基本概念: 月単位のサイクルではなく、日々のサイクルに着目する。パート・オブ・フォーチュンと惑星のアスペクト(角度関係)は、個人の「幸福のあり方」「人生への向き合い方」「個人的な輝き」を明らかにする。

主要なアスペクト:
コンジャンクション(合): その惑星の性質が、個人の幸福感や自己表現に積極的に影響する。
オポジション(衝): 客観的な気づきや「イルミネーション(啓発)」と関連する。
スクエア(矩): 欲求不満や心理的な「コンプレックス」として現れることがある。
各惑星との関係(要約):
太陽: 人生の目的を強く個人的に感じる。
月: 人生の基本的な方向性(日の出/日没生まれ)。
水星: 知性のあり方、精神的なアプローチ。
金星: 個人的な魅力、美的感覚。
火星: 本能的な衝動性、行動力。
木星: 楽観主義、社会的成功、寛大さ。
土星: 真剣さ、責任感、運命感。悲観主義にもなりうる。
天王星: 劇的な自己表現、非凡さ、変革。
海王星: 集合的な運動への参加、神秘性、夢。
冥王星: 政治的活動、根源的な変容、権力への意志。

VII. 進行月齢周期

このテキストは、惑星がルネーションサイクル(太陽と月の関係)の中でどのように解釈されるかを、二つの主要な方法論を通じて解説しています。
方法1:惑星の位置と「太陽-月」の角度関係
基本概念: 月を「織り手」、惑星を「糸」と見なし、月が惑星のエネルギーを分配して個人の資質を形成すると考える。

月の満ち欠けによる分類:
満ちていく月(Waxing Moon): 出生時に、惑星が太陽から月へと向かう弧の中にある場合。これらの惑星は「先天的な資質」「自発的な力」「私的な自己」を象徴する。リストの例では金星、天王星、海王星がこれにあたり、彼の芸術的才能の基盤となった。

欠けていく月(Waning Moon): 出生時に、惑星が月から太陽へと向かう弧の中にある場合。これらの惑星は「後天的に獲得すべき課題」「公的な役割」「社会へのメッセージ」を象徴する。カイザーリングやレーニンの例が挙げられ、彼らが人生で直面し、社会に打ち出したテーマを示している。
新月直前: 月と太陽の間に惑星がある場合、それは次の新しいサイクルの「種子」となり、その人の公的な役割や未来を強く特徴づける(マッキンリー大統領の例)。
方法2:惑星と「パート・オブ・フォーチュン」の関係
基本概念: 月単位のサイクルではなく、日々のサイクルに着目する。パート・オブ・フォーチュンと惑星のアスペクト(角度関係)は、個人の「幸福のあり方」「人生への向き合い方」「個人的な輝き」を明らかにする。

EPILOGUE

このエピローグは、ルネーションサイクル(月の満ち欠け)の象徴性を、個人の人生から人類史全体へと拡張し、私たちが生きる現代がどのような時代であるかを論じています。
時代の転換:個人主義から全体性へ
19世紀は個人主義、分析、原子論の時代であったが、20世紀以降は集団主義、統合、全体性を重視する時代へと移行している。これは科学(相対性理論)から社会(グローバル化)まで、あらゆる分野で見られる傾向である。
現代は「大いなるルネーション」の「バルサミック・ムーン」期である
著者は、約26,000年周期の「歳差運動の年」を「大いなる年」と捉え、その12分の1である約2160年周期(魚座の時代、水瓶座の時代など)を「大いなるルネーションサイクル」と見なす。
私たちは現在、魚座の時代の終わりにいる。具体的には、次の水瓶座の時代が始まる直前の「バルサミック・ムーン(Balsamic Moon)」の期間、つまり「種まきの期間」にいると主張する。
この期間は、古いサイクル(魚座の時代)の価値観が崩壊し、新しいサイクル(水瓶座の時代)の種が蒔かれる、混乱と破壊、そして新たな可能性に満ちた移行期である。著者はこの期間を1844年?2059年と計算している。
バルサミック・ムーンの時代の特徴
古いものの崩壊: 既存の哲学、宗教、国家、個人の精神が崩壊する。二つの世界大戦や現代の混乱は、この時代の破壊的な側面を象徴している。
新しいものの種まき: 崩壊の中から、新しい時代の価値観(ロゴス)を持つ「種の人間(seed-men)」が現れる。彼らは過去の価値を凝縮し、未来へと受け渡す役割を担う。
犠牲と祈りの時: この時代に生きることは、未来を召喚するための犠牲的な行為であり、人類全体の無意識的な祈りである。
現代人に求められる道:「満月の道」
個人が選択すべき道は二つある。一つは「新月の道」(本能的成長、無意識)。もう一つは「満月の道」(意識的な成長、統合、充足)である。
新しい時代の入り口にいる私たちは、混乱と崩壊の中にあっても、悲しみの人ではなく「充足の人(man of plenitude)」となるべきである。
個々人が意識的に光と意味を体現し、恐怖や対立を乗り越え、理解と協力の道を歩むこと。それがルネーションサイクルの真のメッセージである。
結論
現代の混乱は、新しい時代(水瓶座の時代)の誕生に向けた必然的なプロセスである。
私たち一人ひとりが、この移行期において、破壊に屈するのではなく、意識的な光と愛、そして平和を体現することで、未来を創造する力を持っている。

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この記事を書いた人

40代半ばより占星術を研究しています。途中仕事や子育てと学童の父母活動で進まない時期もありました。HPも一度は閉鎖してやり直している途中です。2022年より占いを専業として活動を再開しています。これからも色々な発表の場で活動したいと思います。

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