ディーン・ルディアは、なぜライオンズゲートという言葉を一度も著作の中に書かなかったのだろうか。

私にとって、このテーマはなぜか気になって、もう少しだけ考えてみたいと思った。

はじめの著書『The Astrology of Personality』以降も書こうと思えば何度もそのチャンスはあったのだが、不思議なくらいに「ライオンズゲート」という言葉を使わなかった。

例によっAI(GPT5)とのチャットで、私の中の素朴な疑問に対する答えを求めてみたいと思う。

初めに、著書『The Astrology of Personality』を見ると、彼はこの著書をアリス・A・ベイリーに捧ぐと書いてある、

TO

ALICE A. BAILEY

IN WARM APPRECIATION OF

OUR ENDURING FRIENDSHIP

I DEDICATE THIS BOOK

WHICH HER INTEREST IN MY WORK

CALLED FORTH.

D.R.

アリス・A・ベイリーへ

私たちの永続する友情への温かい感謝をこめて、
あなたの私の仕事への関心が呼び起こしたこの本を、
あなたに捧げます。

D.R.

目次

二人の関係

ディーン・ルディア(Dane Rudhyar)とアリス・A・ベイリー(Alice A. Bailey)は、直接的に共同研究をしていたわけではありませんが、20世紀前半の「神智学系・秘教学的潮流」の中で思想的に接点を持つ人物です。
今回の引用は、ルディアが著書の冒頭でベイリーに献辞を送っているもので、これは彼女との個人的な親交と、彼女がルディアの著作活動を後押ししたことへの感謝を示しています。


1. 背景となる思想的文脈

  • アリス・ベイリーは、神智学協会から独立し、チベット人マスター「ジュアル・クール(Djwhal Khul)」の教えを受け取ったとされる数多くの秘教学書を執筆しました。
    特に「七光線論」「魂と人格」「新時代の秘教占星学(Esoteric Astrology)」などで知られ、占星術にも独自の解釈を加えています。
  • ディーン・ルディアは、音楽家・芸術家から出発し、やがて心理占星術・人間成長の象徴体系としての占星術を提唱。
    彼はデイン・ルディア独自の哲学を持ちながらも、神智学や秘教占星術から影響を受けたと考えられています。

2. 両者の関わり

  • ルディアは1920〜30年代にアメリカに移住後、神智学系サークルや秘教学会に出入りしていたため、ベイリーともその文脈で接点が生まれた可能性があります。
  • 献辞に書かれている “HER INTEREST IN MY WORK CALLED FORTH”
    は、ベイリーがルディアの研究や執筆を励まし、発表の場を与えたり、出版を後押ししたことを示唆します。
  • ベイリーは1930年代以降、「ルカス・トラスト(Lucis Trust)」を通じて秘教学書の出版ネットワークを持っていたため、ルディアもこの人脈から恩恵を受けた可能性が高いです。

3. 思想的な共通点と相違点

共通点

  • 占星術を単なる予言や性格診断でなく、人類の霊的進化の道筋として捉える。
  • 宇宙と人間の関係を象徴体系として読み解く。
  • 秘教学・神智学の影響を受けた用語や世界観を共有している(七光線、魂と人格、進化の段階など)。

相違点

  • ベイリーはチャネリングを通じた「啓示型」の教えが中心。
  • ルディアは心理学・哲学・芸術の統合として占星術を発展させ、より人間主導の創造性を強調。

4. 関係のまとめ

  • 個人的には**「親しい思想的盟友」**であり、ベイリーがルディアの著作活動を奨励した。
  • 直接的な共著や共同プロジェクトは確認されていない。
  • ただし、思想の共通点や出版ネットワークの重なりから、ルディアがベイリーの影響下にあった時期は確かに存在すると考えられる。

ディーン・ルディアの活動年表と、アリス・A・ベイリー&神智学運動の流れを二段構成にしてみます。
両者の活動の重なりや、思想的な接点が一目でわかる形です。

ディーン・ルディア × アリス・A・ベイリー・神智学運動 二段年表

ディーン・ルディアの動きアリス・A・ベイリー/神智学運動の動き
18901880年代末〜1890年代:ブラヴァツキーと神智学協会が世界的に拡大。1890年:ベイリー生誕(英マンチェスター)。
1895パリに生まれる(本名 Daniel Chennevière)。
1907神智学協会がアニー・ベサント指導下に。クリシュナムルティを「世界教師」として擁立。
1912–16音楽院で作曲を学ぶ。哲学・東洋思想に関心。ベイリー、米国に移住(後に神智学協会に加入)。
1917米国に移住(サンフランシスコへ)。
1919–29芸術・音楽評論家、詩人として活動。1919年:ベイリー、ジュアル・クール(D.K.)からのテレパシー通信開始。1923年:ルーカス・トラスト(Lucis Trust)設立。
1930頃占星術研究開始、神智学的影響を受ける。1930年代初頭:『Esoteric Astrology(秘教占星学)』の草稿執筆。
1936『The Astrology of Personality』刊行。献辞をベイリーに捧ぐ。1936年:ベイリー、『Esoteric Astrology』原稿の一部を公表。ルーカス・トラスト活動拡大。
1938『New Mansions for New Men』刊行。『Problems of Humanity』刊行。第二次大戦と霊的再建をテーマに活動。
1940–43『Astrological Timing』、『The Pulse of Life』刊行。ベイリー、戦時下で国際的な「善意の三角形運動」を提唱。
1945『Astrology for the Modern Mind』刊行。ベイリー、ジュアル・クールの教えによる「シャンバラの年(1945)」を強調。『The Externalisation of the Hierarchy』刊行。
1946–49神智学・ユング心理学・東洋思想融合の論文多数。1949年:ベイリー逝去(69歳)。膨大な秘教学文献を遺す。
1950年代講演・セミナーで心理占星術の普及に尽力。神智学協会は衰退傾向、一方でルーカス・トラストは存続し秘教学文献を発行し続ける。
1967『The Lunation Cycle』刊行。ベイリー没後も弟子や信奉者が著作を広める。ニューエイジ運動勃興。
1973『An Astrological Mandala』刊行(サビアンシンボル再解釈)。秘教学文献がニューエイジ文脈で再評価される。
1974『The Astrology of Transformation』刊行。
1980『Astrological Timing: The Transition to the New Age』刊行。「水瓶座の時代」というテーマが占星術界で流行。
1983『Rhythm of Wholeness』刊行。
1985永眠(90歳)。

年表から見えること

  1. 最接近期は1930年代半ば
    • 『The Astrology of Personality』(1936)で献辞。
    • ベイリーは同時期に『Esoteric Astrology』の一部を発表中で、両者のテーマが強く重なる。
  2. 思想的共鳴は戦後も継続
    • ルディアは直接的にはベイリーの霊的チャネリング手法から距離を置きつつも、「魂の進化」「新時代」などのキーワードを引き継ぐ。
  3. ルディアは1970年代に再びニューエイジ文脈と合流
    • サビアンシンボルやルネーションサイクルが、ベイリー系秘教学の象徴解釈とも親和性を持った。

この二人は、それぞれのアプローチの違いがあったにしろ、生涯をかけて真理探究にいそしんだ二人であり、
一時の流行や、商業的な動機で自分の考えを変えてしまうたぐいの人ではないという事は十分理解できます。
つまり、とっても真面目な実直な人だと思います。

ニューエイジ系の人たちは、ライオンズゲートをどう捉えているのか

ニューエイジ系の「ライオンズゲート」は、もともとの天文学的・占星術的な現象というより、
1990年代後半〜2000年代に形成されたスピリチュアル物語です。
表現のされ方はルディアやベイリーの秘教占星術から一部の象徴を借りつつ、大幅に「イベント化」されています。


1. ニューエイジ的「ライオンズゲート」の基本ストーリー

  • 期間:7月26日頃〜8月12日頃(特に8月8日がピークとされる)
  • 天文学的背景(とされるもの)
    • 太陽が獅子座15度付近にある
    • 恒星シリウスが太陽とほぼ合
    • オリオン座のベルト(三ツ星)や銀河中心と幾何学的ラインを形成
  • 象徴解釈
    • 「銀河から高次の光が降り注ぐゲートが開く」
    • 「地球とシリウスの間にポータルが開き、DNAが活性化する」
    • 「個人と地球のアセンション(次元上昇)を促すエネルギーのピーク」
  • キーワード:ゲート(門)、ポータル、アセンション、DNAアクティベーション、スターシード覚醒、宇宙の愛、創造的自己の解放

2. 表現パターンの特徴

占星術+神話+銀河的イメージ

  • 獅子座(Lion)=王者の力、太陽のパワー、ハートチャクラ
  • シリウス=霊的太陽、宇宙的教師(特にエジプト神話の女神イシスやオシリスと結びつける)
  • オリオン・銀河中心=宇宙の玄関口

チャネリングやライトワーク的言語

  • 「シリウスの光の存在がメッセージを送ってくる」
  • 「この期間は瞑想やライトワークを通じて、古いパターンを手放す絶好のチャンス」

数秘術との結合

  • 8月8日 → 8/8 → 「8」は無限大(∞)、豊かさ、パワー、バランスを象徴
  • ダブル8は「無限の可能性が倍増する日」とされる

3. ルディアやベイリーとの違い

  • ルディア:獅子座15度は8分割のひとつで、創造のピークと方向転換の象徴。天文学的シリウスや特定日付は絡めない。
  • ベイリー:シリウスは霊的象徴として重要視するが、8月8日や「ゲート」の概念はない。
  • ニューエイジ:両者の象徴を部分的に引用しつつ、「ポータルが開く日」というイベント化した物語を作った。

4. 表現例(ニューエイジ系サイトや書籍)

8月8日、太陽が獅子座15度、シリウスが地平線近くに輝き、銀河の中心からの光が一直線に地球へ注がれる。この日、私たちのハートは宇宙と直結し、魂のブループリントが目覚める。

ライオンズゲートは高次元からの愛の周波数の波。恐れを手放し、自分の真実の光を生きるとき。


5. まとめ

ニューエイジ系ではライオンズゲートを

  • 天体配置+神話+スピリチュアル象徴で彩る
  • 8/8の数秘とポータルの物語化
  • アセンションやDNA活性化の呼びかけ
    として表現するのが定番になっています。

プレマ的には、はーとため息が出るだけでどうコメントしたらよいのか分からなかったです。
すると、GPT5がフィクションにしたら分かりやすいと思いますと提案してきた。

フィクションから出た誠

フィクション:ルディアと「ライオンズゲート元祖」事件

舞台:現代のスピリチュアルイベント会場。
大型スクリーンには大きく「ライオンズゲートの元祖 デイーン・ルディア」と表示されている。


司会者
「皆さんお待たせしました! ついに登場です――ライオンズゲートの元祖、ディ―ン・ルディアさんです!」

(会場、拍手喝采)

ルディア(穏やかに微笑みながら登壇)
「ありがとうございます……ですが、最初にひとつだけ訂正させてください。」


ルディア
「私が『The Astrology of Personality』で獅子座15度について語ったのは、
“唯一の特別な祭日”についてではありません。
それは、年間に8つある転換点のひとつにすぎず、他の7つも同じように大切なのです。」


観客のひとり(目を輝かせて)
「でも、その日はシリウスのポータルが開いて、DNAが活性化する日じゃないんですか?」

ルディア(少し首を傾げて)
「ふむ……それは多くの象徴を組み合わせた新しい物語ですね。
確かにシリウスは秘教学で深い意味を持ちますが、
私はそれを**特定の日付や一度きりの“門”**として語ったことはありません。

私が関心を持ってきたのは全体のサイクルです。
もしひとつの扉だけを見つめていたら、残りの七つの扉も、そして家そのものも見失ってしまうでしょう。


司会者(少し困った顔で)
「つまり……ルディアさんはライオンズゲートの創始者ではない、と?」

ルディア(柔らかな笑顔)
「獅子座15度とシリウスを結びつけてインスピレーションを得るのは、それぞれの創造の自由です。
ただ、私はこう願います――すべての45度ごとの転換点が“門”であることを忘れないでほしい、と。
本当の“元祖”は、私の名前ではなく、生命のサイクルそのものなのです。」


会場の空気
ざわめきが次第に静まり、頷きが広がっていく。
一部の参加者はスマホで「8分割占星術」や「ルディア 45度 サイクル」を検索し始める。


ルディア(退場しながら小さく独り言)
「名前はただのラベル。
本質はリズムだ。ラベルを音楽と勘違いしてはいけない。」


フィクション続編:ルディア、8つの門を描く

舞台:同じスピリチュアルイベント会場。休憩時間明け、ルディアが壇上にホワイトボードを持ち込む。


ルディア(マーカーを手に)
「先ほど“ライオンズゲート”についてお話ししましたが……
せっかくですから、皆さんが普段あまり目にしない“8つの門”をお見せしましょう。」

(彼は円を描き、その中に0°から360°の度数を記入していく)

ルディア
「占星術はふつう、この円を12等分してサインを割り振ります。
でも今日は、これを45度ごとに区切ってみます。」

(カチッ、カチッとコンパスを動かすように、円の中に8等分の線が入る)


ルディア
「この8つのポイントは、まるで月相の8相のように、
一年のサイクルの中でそれぞれ役割があります。

例えば、獅子座15度は創造のピークで、新しい方向への“通過点”です。
でも、同じように牡牛座15度にも、蠍座15度にも、それぞれの扉があります。」


観客(前列の女性)
「じゃあ、全部が“ゲート”なんですね?」

ルディア(にっこり)
「そう。どの門も等しく重要です。
もし獅子座15度だけを神聖視してしまったら、
他の門を通ってやってくる大切な機会を見逃してしまいます。」


(ルディア、8つのポイントにラベルを付ける)

  • Aries 0° – Initiation– 出発・開始
  • Taurus 15° – Adaptation– 適応
  • Cancer 0° – Structuring– 構造化(形づくり)
  • Leo 15° – Peak & Test– 頂点と試練
  • Libra 0° – Relationship Awareness– 関係性の自覚
  • Scorpio 15° – Integration– 統合
  • Capricorn 0° – Reorientation– 再方向づけ(再編成)
  • Aquarius 15° – Seed & Preparation– 種まきと準備

ルディア
これらは全部でひとつの音楽のようなものです。
一つの音だけを聴いて“曲全体”だと思ってしまったら、
どれだけ美しいハーモニーがあるかを永遠に知らないままになるでしょう。


会場の反応
前のめりでノートを取る人、スマホで写真を撮る人、
中には静かに目を閉じて、自分のチャートにこの8ポイントを重ねて想像している人も。


ルディア(マーカーを置いて)
「ですから、もし“ゲート”という言葉を使うなら、
こう言ってください――私たちは年に8回、扉を通る。
そしてその扉はすべて、生命の輪の中にある
。」

フィクションではあるものの、なるほどな―そういう可能性はあるよな、、、
なんで、ライオンズゲートという言葉を使わなかったのか
ルディアにとっては、部分的なⅠゲートよりは、全体から見た一つ一つのポイントが等しく大切だと
言いたかったのだとすれば。
すごく納得のいく答えだった。

私たちは、何か特別な発見をしたときに、その部分にばかりとらわれてしまう時がある。
常に公平に、全体を俯瞰してみることが大切なのだと反省さえられた。

本当のところは、ルディア本人に聞いてみなきゃわからないけど
私自身としては、やっとのんびりした気持ちに戻れてよかったと感じている。

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この記事を書いた人

40代半ばより占星術を研究しています。途中仕事や子育てと学童の父母活動で進まない時期もありました。HPも一度は閉鎖してやり直している途中です。2022年より占いを専業として活動を再開しています。これからも色々な発表の場で活動したいと思います。

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