根室、東京、大阪、福岡、沖縄。この場所の変化でハウスの起点であるASCはどれくらい変わるのか検証しました。
それと同時に、春分図や新月図などで国の事を占うのと個人の運勢を見るのでは場所の選定が重要であるというお話をします。
日本国内5か所の2025年夏至図を見比べる





結論から言うと…個人の運勢を占う際に、その人自身の生活する場所(現在地)でホロスコープを作成しなければならない理由を、順を追ってご説明します。
ホロスコープは「いつ、どこで」空を見上げたかという情報が最も重要
場所が変わると、見える空の景色(地平線や天頂)が変わり、それが個人の「具体的な体験」に直接影響を与えるからです。
詳しい理由
1. ホロスコープの基本構造:天体とハウス
ホロスコープは、大きく分けて2つの要素で成り立っています。
- 天体(惑星)とサイン(星座):
- これは「どのようなエネルギーか?(What/How)」を示します。
- 例えば、「火星が乙女座にある」という事実は、地球上のどこにいても同じです。これは普遍的なエネルギーの質を表します。
- ハウスとアングル(アセンダント/MC):
- これは「どこでそのエネルギーが発揮されるか?(Where)」を示す、人生の具体的な舞台です。
- このハウスとアングルが、観測地によって全く変わります。
2. 場所によって変わる「アセンダント(ASC)」と「ハウス」
個人の運勢を占う上で最も重要なものの一つが**「アセンダント(ASC)」**です。
- アセンダントとは:
その瞬間に、その場所の「東の地平線」が黄道12星座のどの位置にあったかを示すポイントです。これは「自分自身」「個人の視点」「物事の始まり」を象徴します。 - 場所との関係:
言うまでもなく、東京と大阪、あるいは札幌と那覇では、同じ時刻でも東の地平線が指す位置は微妙に、あるいは大きく異なります。経度と緯度が違うからです。
アセンダントが決まると、それを基点としてホロスコープ全体が12の「ハウス」に分割されます。ハウスは以下のような人生の具体的な分野を示します。
- 1ハウス: 自分自身、第一印象
- 4ハウス: 家庭、居場所
- 7ハウス: パートナー、対人関係
- 10ハウス: 仕事、社会的頂点(MC:天頂)
つまり、住んでいる場所が変わるとアセンダントが変わり、それによってハウス全体が回転します。
【夏至】2025年夏至図の観測地によるアセンダント(ASC)とMCの違い
下のデータは、2025年の夏至6月21日」11時42分18秒
都市 | アセンダント (ASC) | MC (エムシー) |
根室 | 天秤座 04.42度 | 蟹座 05.24度 |
東京 | 乙女座 29.06度 | 双子座 29.83度 |
大阪 | 乙女座 26.35度 | 双子座 26.01度 |
福岡 | 乙女座 22.00度 | 双子座 21.31度 |
沖縄 | 乙女座 19.06度 | 双子座 18.79度 |
このように、同じ「夏至図」という天体のエネルギーでも、住んでいる場所が違うだけで、その影響が人生のどの分野(ハウス)で具体的に現れるかが全く異なってくるのです。
「東京の春分図」と「個人のホロスコープ」の違い
- 首都(東京)で作成する春分図など(マンデン占星術)
- 目的: 国家や社会全体のムード、政治、経済、社会情勢など、集合的・公的な動向を占う。
- なぜ首都か: 首都はその国の象徴であり、政治経済の中心点だから。いわば「日本全体の天気予報」のようなものです。
- 個人の現在地で作成するホロスコープ(ネイタル、経過図など)
- 目的: その人個人の私的・具体的な運勢や体験を占う。
- なぜ現在地か: その人が実際に生活し、体験する「舞台(ハウス)」を正確に描き出すため。いわば「あなたの家のピンポイント天気予報」です。
日本全体のムードとして「経済的な変革がテーマの1年です」と春分図が示していても、それがあなた個人にとって「仕事での昇進」として現れるのか、「パートナーの収入の変化」として現れるのか、あるいは「不動産投資のチャンス」として現れるのかは、あなたの現在地で作成したホロスコープを見なければ分からないのです。
個人の運勢を考える上では、その人が今を生きる場所でホロスコープを作成することが不可欠なのです。